山水蒙

さんすいもう

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啓蒙

case.1

智慧に暗く、道理が分からないとき。 そのときそのときに正しい方向へ 進んでいくことができたならば、 道は通っていくことになるでしょう。 どの方向へ進むべきかということは、 その答えを自分から求めていかなくては、 導きが得られることはありません。 真摯に問えば、答えが得られるときですが、 何度も同じことを問い直すような態度では、 その問い自体が穢れることとなり、 答えを得ることはできなくなります。 行くべき道を正しく歩んでいこう、 という真剣な姿勢を保ち続けることが、 大切なときです。

初爻

case.1

道理を知る必要のあるとき。 そのまま進んでしまったら、 恥をかくことになるでしょう。 愚かな考えは、厳しく制すること。 強制されなくても、自分の判断で、 行くべき道を行けるようになることを、 目指さなくてはなりません。

case.2

先が見えない。 なぜ見えないのか、 自分の何がいけないのか、 反省して、一歩を踏み出す。 問題を繰り返さないと誓い、 光へ向かう進歩を決意する段階。

case.3

問題は理解できましたか。 何がいけないのか、改めるべきは何か、 きちんと把握できたでしょうか。 自分の足で歩き始めましょう。 いつまでも叱ってもらわなくても、 自分で気づけるようになりましょう。

case.4

鍵は、自由にすることです。 問題を繰り返してはいけない、 しっかり見張っていないといけない、 そんな風に思っているかもしれないけれど、 いつまでも縛り付けておけば解決 というわけではありません。 それが問題であると理解した上で、 それをするのかしないのかを決める自由。 それに伴う判断と責任の自覚、 それこそが解決のために必要なことです。

case.5

いいえ、姿勢が間違っています。 言われた通りにしていれば正しいと思っていませんか。 自分で考えて判断することが必要です。

case.6

自由にやってみてください。 その結果を、自分で確かめてください。 その望みが正しいものであったのかどうか、 その道が行くべき道であったのかどうか、 自分で結果を見て判断して、必要であれば 修正して改善してください。 大事なのは、自分の力で歩むことです。

case.7

相手も自分も、 どうすればよいのか、 わからなくなっているみたい。 相手に期待するのは無駄なこと、 自分がしっかりしなくてはなりません。 自分で自分を縛りつけてでも、 愚かな行動に出ることがないように、 してはいけない、と知っていることは、 絶対にしないようにしましょう。 相手を何とかしたいと思うなら、 まずは、自分の弱さを克服する努力を。

case.8

相手のどこに問題を感じているのかを、 きちんと伝えてください。 相手が気づいていないことを気づかせて、 相手が分かっていないことを分かってもらう。 そこは、厳しくやらなくてはなりません。 相手が問題を理解したなら、あとは、相手の問題です。 そこからどうするかは、相手にまかせましょう。

二爻

case.1

愚かさを受け容れ、 光を得て、道を開く力のあるとき。 自分が先導するように進んでいけば、 良い結果に通じることになるでしょう。

case.2

先は見えないし、問題は山積み。 どうしようもない状況でも、 否定しない、拒絶しない、投げ出さない、 自分が責任を持って受け容れる。 暗く混迷した状況に光を灯すために、 全てを引き受ける覚悟をする段階。

case.3

否定しないで。 分からないときもある、 できないときもある、 気づかないこともある。 完璧でなくて当然。 これから変わることができる。

case.4

問題があっても大丈夫です。 色々なことがあって当然、 できないことがあって当然、 分からないことがあって当然。 確かにそれは問題で、 あなたが引き受けるべき課題だけれども、 その課題がある状態は問題ではありません。 どこまでいっても課題は常にあるものです。 現状を否認せずに向き合いましょう。

case.5

はい、そうですね。 あなたがそうすべきだと思うならば、きっとそれが正しい。 今のあなたには、答えを導き出す力があります。

case.6

やってみましょう。 どうなるかもわからないし、 どうしたらよいかもわからないし、 わからないことだらけなのだろうけれど。 そのわからなさを、引き受けるしかない。 わからなくてもやってみる覚悟を決めて。

case.7

相手の未熟さを、受け容れること。 相手は、自分がどうしたいのか、 どうしていけばよいのか、 わからない状態にあるようです。 こちらから道を指し示して、 この方向に一緒に歩んでいこう、 という態度で臨めば、うまくいきそう。 お互いに想い合っていることは、 確かなようだから。

case.8

あなたが責任を持って導きましょう。 相手よりも、あなたの方が、 どうすればよいか分かっているから。 どうすればよいかに気づく力があるから。 相手は、自分は分からないと認めています。 自分には分からないから、あなたに 教えてほしいと思っています。

三爻

case.1

誘惑に負けやすくなるときなので、注意。 慎みを忘れて、愚かな方向に走ってしまえば、 何もうまくいくことはありません。 人を見る目を養うことも、大事なときです。

case.2

見るべきものをきちんと見ているか、 上辺や見た目にだまされていないか、 見えていることが本当にそうなのか、 自分の目を疑ってみる。 ぼやけた目では、何も見えていない。 顔を洗って、目を覚ますべき段階。

case.3

何をしているのでしょう。 明るく正しく歩もうと頑張ってきたのに、 知性を放棄しようとしていませんか。 安楽な方に流されてしまえば、堕落する。 暗いところに後戻りしてよいのですか。

case.4

お金の問題でしょうか。 お金のことで頭がいっぱいになっていませんか。 お金さえ入ればどうにかなると考えているのでしょうか。 お金のことを考えているうちに、利欲に惑わされて、 変な方に意識が向かっていませんか。 それは本当に、お金で解決する問題でしょうか。 大切なこと、忘れていませんか。

case.5

いいえ、ダメです。 欲に惑わされていませんか。 そんな考え方では、ろくなことにならなさそう。

case.6

その望みでいいのですか。 それは叶うかもしれないけれど、 それがあなたの本当の望みですか。 もう少し深く考えてみましょう。 それが実現されたとして、 それで本当に幸せになれるのでしょうか。

case.7

相手のお金や条件に、 目がくらんでいないでしょうか。 もしくは、他の人に、 金品で誘惑されていたりして。 相手とうまくいっているようでも、 表面的なことにだまされている 可能性があるので、注意。 向こうも、こちらの条件に、 つられているだけかもしれません。 関係を本格的に進展させる前に、 お互いを信用できるのかどうかを、 よく確かめて。

case.8

相手を信用しない方がよさそうです。 あなたよりも条件のよい人が現れたら、 すぐにそちらに行ってしまうかもしれない。 あなたのことなど、たいして見えていないのです。 相手のことをきちんと見ていないのは、 あなたも同じかもしれない。 相手に、この関係に、何を求めているのでしょう。 何をどう改善したいのでしょうか。

四爻

case.1

自分の愚かさに苦しむときであり、 そのような自分を恥ずべきときです。 導きを得ようとしても、 すぐには叶わないかもしれませんが、 智慧を求め道理を知ろうとする意識に、 光を灯すことが必要です。

case.2

何も見えない。 何がどうなっていて、 これからどうなっていくのか、 どうしていけばよいのか、 何も分からない。 暗闇の中に独りきりで、 灯りを求める努力をしていく段階。

case.3

分からないからと苦しむのも、 愚かなことかもしれない。 分からないことは分からない、 それでいいのかもしれない。 分からないこともあるのだと知ること、 それが一つの光となるかもしれない。

case.4

目の前が真っ暗で、何も考えられない。 何がなんだか分からなくて苦しい。 なぜこんなことになってしまったのか。 どうしていけばよいのか、できることなどあるのか。 考えることを放棄してはいけません。 何も見えなくても、見ようとしなくてはならない。 自分の中に光を求める意識がなければ、 抜け出すことなどできません。 嘆いてばかりいるのはやめて、気丈に。

case.5

いいえ、見当違いです。 どうすればよいのか、 考える糸口も見つかっていないみたい。 この状態で決断することは不可能です。

case.6

不安に怯えてばかりいないで。 どうなるだろう、どうなるのだろうと、 わからないことをいくら考えてもわからない。 ここで立ち止まっていても、どうにもならない。 やってみれば、少しは何かがわかるかもしれない。 やってみましょう。不安を振り払って。

case.7

相手の気持ちがわからず、 先行き不明で、苦しい。 真っ暗な中で、 孤独に、光を得られずにいる。 残念ながら、相手にも、そこに 光をもたらすだけの力はありません。 向こうは向こうで、 自分の闇を払うために、 もがいているところのようだから。 相手は相手で、きっと頑張っている。 だから、自分は自分で、 相手に恥ずかしくないように、 自分の光を求めて、頑張ってみませんか。

case.8

苦しいですね。 この関係の先に、何の光も見出せなくて。 相手ばかりを見て、関係ばかりを追っていても、 何も見えてはきません。 変わらなくてはいけないのは自分自身、 変えることができるのは自分自身だけだから。 苦しんでいる自分が、苦しまない自分になるために、 何ができるでしょうか。 この問いが、あなたの光になる。 あなたの光を見て、あなたの光を追うべきです。

五爻

case.1

自分の愚かさを謙虚に受け容れ、 素直に学ぼうとする姿勢のあるとき。 そのような態度で導きを求めていくならば、 良い結果に通じていくことになるでしょう。

case.2

このままでは進めない、 分からないまま、薄暗いままでは。 無知で未熟であることに気づき、 虚心に智慧を請い、導きを求める。 先の見えない混沌とした状況に 希望の端緒を引き寄せる段階。

case.3

求めましょう。 素直に、無心に、純粋に。 導きを得ましょう。 謙虚に、誠実に、真っ直ぐに。 気づきたい、変わりたい、 その真摯な想いに、宇宙が応える。

case.4

教えを乞いましょう。 分からないことは分からないと素直に認めることが大事。 分からないことを知ろうとする謙虚な意識が必要です。 求めれば、導かれる。 指し示された道を、ひたむきに歩みましょう。 その先に答えがあることを信頼して。

case.5

はい、そうしてください。 この答えを素直に受け取りましょう。 何度も問い続けるようなことはしないで。

case.6

やってみましょう。 やってみれば、きっと少しずつわかってくる。 今はわからないことも、わかるようになってくる。 今はまだ、何がわかっていないのかもわかっていない。 その望みの意味するものも、その先にあるものも。 無心に、ただ求めて、やってみましょう。

case.7

わからないことがあるのなら、 素直に、相手に、たずねてみて。 きっと相手は、その想いを、 しっかりと受け止めてくれるだろうし、 この先に通じる道を示し、 一緒に歩もうとしてくれるでしょう。 良い関係を開きたいならば、 自分から、求めて。

case.8

相手に問いかけてみてください。 どうすればいいと思うか。どうしてほしいか。 どうすればよくなると思っているか。 分からないことは分からないと素直に伝えて、 相手の言葉を謙虚に聞き容れることが大切。 現状においては、相手の方が先生です。 純粋な生徒として学びましょう。

上爻

case.1

愚かさを克服しようと、 強く意気込みやすいときですが、 自分以外の問題にまで手を入れようとしても、 得られるものはないでしょう。 外の問題を自分の中に引き込まずに、 自己の智慧を開くことに集中することが、 大事なときかもしれません。

case.2

問題解消に取り組んでいく。 原因を理解して、 同じ問題に悩むことがないように、 賢明に努力し心掛けていく。 気づけなかったことに気づき、 見えなかったものが見えてくる、 明瞭な視界が開けていく過渡期。

case.3

分かっているはずです。 今の自分なら、自分の力で、 見るべきものを見て、気づくべきことに 気づくことができる。 自分のことぐらいは自分で何とかする。 それができるだけの智慧を持っています。

case.4

そういう考え方をしてはダメなのだと、 もうよく分かっているのではなかったですか。 してはいけないと分かっていながら、 同じ思考パターンを繰り返してしまっている。 解決への道筋は既に見えているのに、 向かえばよいと分かっている方へ向かわずに、 行ってはいけない方でぐずぐずしている。 自分の中にある智慧を無視している。 だから、問題が解決しないのです。

case.5

はい、そうですね。 そうすべきだと分かっているのなら、 弱い心に負けないで。 そうしなくてもいいですか、 などと問わないこと。

case.6

やってみましょう。 どうすればよいかは、もう知っている。 どうしたらいけないかも、もう知っている。 知っているからできるというわけではなくて、 知っていてもなかなかできないのが難しいところ。 がんばってやってみましょう。 まずは、してはいけないことをしないことから。

case.7

不明なことをはっきりさせたいとか、 相手の愚かな点や未熟な点を正したいとか、 強硬な態度に出やすいときですが、 あまりに攻撃的になって、 相手を追い詰めるようなことは、 しない方がよさそう。 今後も関係を続けるつもりならば、 相手を非難するよりも、 この先、どのように改善していくべきか、 どうすれば問題を防げるのか、ということを、 重視して考えていくべきでしょう。

case.8

相手を責めてばかりいませんか。 何がいけなくて、何をしてほしくないのか、 相手に分かるように説明していますか。 大切なのは、相手がそれを理解して、 自発的に改善しようとしてくれることですよね。 相手を傷つけてばかりいないでしょうか。 あなたの態度にも改善できる点があります。