山地剝

さんちはく

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剥落

case.1

剥ぎ取られ、剥がれ落ちていくとき。 積極的に進んでも、うまくいくことはないでしょう。 自分に不利な時運にあることを自覚して、 じっと動かずにいることが賢明です。 何が浸食され、失われようとしているのか、 じたばたせずに、見守っていましょう。

初爻

case.1

剥落の始めの段階にあるとき。 まだ被害は小さいようですが、 どんなに行くべき道を歩み続けようとしても、 それを迫害しようとする流れがあるので、 結果は良いものとはならないでしょう。

case.2

揺さぶられる。 信じてきたことの基盤が崩され、 支えとしてきた土台が剥ぎ取られる。 これまでの姿勢を保つことが難しくなり、 混乱が巻き起こされ始めていく不安定な段階。

case.3

何が起き始めているのでしょう。 なんとか落ち着こうとしても、 どうしても動揺している自分がいて、 じっとしていられない。 もうこのままではいられません。 無視していることはできないのです。

case.4

目を覚ましましょう。 これまで気づいていなかったことに、 気づかなくてはなりません。 見えていなかったこと、見てこなかったことを、 見なくてはいけないのです。 意識を覆っていた布団を、知らずに目に張り付けていた膜を、 剥がして起き上がらなくてはいけない。 目覚めの時の幕開けです。

case.5

いいえ、やめましょう。 足元がぐらぐらしています。 うまくいきそうもありません。

case.6

大工事が必要です。 今のままでは叶えられない。 安定にしがみついて、安全なところで ぬくぬくしていては叶えられない。 土台から掘り起こすことが必要です。

case.7

このまま相手と関わっていたら、 共倒れとなってしまいそう。 相手はもう、 自分のことで精一杯な 大変な状況にあって、 こちらに配慮するどころでは もちろんないだろうし、 こちらも、相手を気にしている 場合ではないような状況が、 迫りつつあるはずです。 まずは、自分のことを、 立て直さなくては。

case.8

今は無理です。 関係は崩れ始めていて、 その流れを止めることは難しい。 浅はかな希望は捨てましょう。 もう元には戻りません。

二爻

case.1

剥落の危険が、身に近づきつつあるとき。 どんなに行くべき道を歩み続けようとしても、 それを害しようとする流れが迫っているので、 結果は悪いものとなってしまうでしょう。

case.2

身を委ねていたものが、剥ぎ取られていく。 これまで通りにはもう居られない、 容赦なく、迫りくる混乱の渦に巻き込まれていく。 投げ出された動揺の中で、 なんとか対応しようともがいていく段階。

case.3

迫ってきていますね。 さすがにもう起き上がって、 対応を考えなくてはならない。 どんなにしがみついていても、 容赦なくばりばりと剥がされていく。 それは時間の問題、抵抗はできません。

case.4

目は覚めてきましたか。 いかに自分がこれまでぼんやりとしていたか、 見ていると思っていたものが見えていなかったか、 気づき始めてきたでしょうか。 張り付いていたものが剥がされていく。 ひりひりするような痛みとともに、 むき出しの現実に直面しなくてはならない。 起きてください、目覚めの時です。

case.5

いいえ、やめましょう。 土台が崩れているのではないですか。 うまくいくはずがありません。

case.6

大工事が必要です。 今のままでは叶えられない。 安定にしがみついて、安全なところで ぬくぬくしていては叶えられない。 自分の居場所を壊すことが必要です。

case.7

大変な状況にあるのなら、 独りで頑張ろうとするよりも、 相手の側についてしまった方が、 うまく運ばれるかもしれません。 相手についていけば、 統制のとれた環境の中で、 それなりの自分の立ち位置を、 確保することができるでしょう。 でも、もちろん、 そんなのは嫌だとはねつけて、 なんとか自分の力で、 混乱が治まるまで踏ん張る、 というのも、ありです。

case.8

もう無理です。 関係はかなり壊れてしまっている。 崩れ去る流れを止めるのは厳しい。 下手な希望は持たない方がよいでしょう。 しがみついても無駄なことです。

三爻

case.1

良くない流れの中から、自分自身を剥ぎ取り、 自分の行くべき道を行くことができるとき。 そのように身を処すれば、問題ないでしょう。

case.2

混乱から、身を離す。 何が起きて来ているのか、 何を促されているのか、 客観的に見て、洞察を得る。 大きな揺さぶりに心が波立っても、 巻き込まれずに冷静に対応していける段階。

case.3

今なら抜けられる。 その鍵を、放さないで。 激しく苦しい波の中だけれど、 光が見えましたよね。 見失わないで、なんとか追いかけて、 自分の力で、抜け出して。

case.4

気づいたようですね。 知らずに張り付いていたものが剥がされて、 目が覚めたような心地なのではないでしょうか。 ぼんやりしていた意識に喝を受けて、 どこへ向かうべきなのかが分かってきた。 大丈夫です、まだ動揺しているかもしれないけれど、 必死にそこを目指していきましょう。

case.5

はい、そうですね。 抜け出すことが必要です。 抜け出すことのできる決断です。

case.6

大工事が必要です。 今のままでは叶えられない。 安定にしがみついて、安全なところで ぬくぬくしていては叶えられない。 自分で起き上がって抜け出しましょう。 立ち上がることが必要です。

case.7

相手を攻撃するのを、 やめることができるかどうか。 今なら、きっと、できる。 これまでの不愉快な流れから、 自分の身をぐいっと剥ぎ取って、 態度を改めていくのなら、 相手も、受け容れてくれるはず。 引かれ合う気持ちは お互いにあるのだから、 これまでの関係を崩して、 良好な関係に転じさせることも、 きっと、できる。

case.8

もうやめた方がよいのではないですか。 この関係に未来はないとわかっているのなら。 この関係に前向きな意味を見出せずにいるのなら。 もう崩れかけていて、かなり壊れている。 自分で区切りをつけてもよいのではないですか。 今のあなたなら、それができるから。

四爻

case.1

剥落の危険が、身に迫っているとき。 切迫した状況にあり、 悪い結果となってしまうかもしれません。 時運が好転するまで、耐えて。

case.2

危うい。 混沌とした状況に対応しきれずに、 どんどん渦に巻き込まれて、 全てが崩落してしまいそう。 動揺や混乱に無為に身を投じずに、 底にある流れの真意をつかんでいくべき段階。

case.3

大変な状況ですね。 じっと耐えるしかない、 不安に怯える時間。 動揺も混乱も すぐには収まらないかもしれないけれど、 こうして全て崩れてしまえば、 新しい可能性が芽生えてくる。 ずっとよくなる可能性も。

case.4

目を覚ましてください。 もう眠っているわけにはいかないのです。 抵抗しても、無駄なこと。 潔く直視しましょう。 覆い隠すものは既に剥ぎ取られています。 見なくてはならない、見ることが必要です。 苦しいけれど、逃げられない。 大事な目覚めを促されています。

case.5

いいえ、やめましょう。 身を滅ぼすことになりそうです。 するべきではありません。

case.6

大工事が必要です。 今のままでは叶えられない。 安定にしがみついて、安全なところで ぬくぬくしていては叶えられない。 自分の身を切る覚悟が必要です。

case.7

こちらの混乱した状況に、 相手を巻き込んでしまって よいのでしょうか。 相手は、ずるずると、 こちらに引きずり込まれつつ あるようだけれども、 お互いに、どうしても 相手が必要、というわけでは、 ないのではないでしょうか。 今は、相手のことをどうこう 考えている場合では、ないはず。 自分自身の切迫した状況を、 なんとかすることに、 集中してください。

case.8

もう何もできません。 関係は壊れてしまった。 崩れ往く流れは止められません。 もう何もしない方がよいでしょう。 希望は捨ててください。 しがみつくのは危険です。

五爻

case.1

流れが変わるとき。 身を害そうと迫り来ていた剥落の流れが好転し、 柔順に付き従うように向かってくる流れが、 生じることになりそうです。 何事もうまくいくようになるでしょう。

case.2

流れに身を委ねる。 動揺も混乱も収まっていく、 剥がれるべきものが剥がれて、 新たな秩序が生まれようとしている。 緊張を強いられた激しい渦が去り、 落ち着きや平穏が取り戻されていく段階。

case.3

大丈夫そうですね。 どんなに混乱があっても、 秩序は揺らがない。 芯がしっかり貫かれているから、 外側をいくら剥ぎ取られても、 びくともしないのですね。

case.4

落ち着いて、状況を整理しましょう。 不要なものが剥ぎ落された今ならば、 見るべきものが整然と浮かび上がってくるように 感じられるのではないでしょうか。 混濁を抜けて、清らかになってきましたね。 視界は良好、見通しは澄んでいます。

case.5

はい、そうしてください。 統率力のある決断です。 よい方に率いていけそうですね。

case.6

大工事が必要です。 今のままでは叶えられない。 混沌としたままではどうしようもない。 方針を定め、整然と並べかえていきましょう。 秩序を貫くことが必要です。

case.7

共通の目的があるのなら、 こちらが先導し統制する形で、 手を組むというのも、あり。 向こうは、揺らぎやすい 状況にあるようなので、 こちらが手を差し伸べれば、 救われたように感じるかも。 もちろん、そんな形は嫌だと、 拒まれる可能性もあるけれど。

case.8

関係が壊れてしまった原因を、 あなたがしっかり制御できるかどうかです。 相手に歯向かうのをやめて、 おとなしく付き従うことができるかどうか。 あなたが納得してそうできるというならば、 関係は好転するかもしれない。 そうでなければ、このまま崩れていきます。

上爻

case.1

剥がれ落ちずに、最後に、 残っているもののあるとき。 それが、素晴らしいものであるならば、 復興の要となるだろうし、 取るに足らないものであるならば、 結局は、それも剥ぎ取られてしまうでしょう。

case.2

激動のときを過ぎて、 剥ぎ落されずに残ったもの、 それが大事なものかもしれない。 その守られたもの、 その貴重さ、尊さに気づくために、 全ては剥ぎ取られていったのかもしれない。 再生の礎を手に取り歩み直していく過渡期。

case.3

何が残りましたか。 何も残らなかったでしょうか。 残ったものがあったのならば、 それがこれからを決める希望。 大掃除をしてみると、 要らなかったものが沢山あったと 気づきますね。

case.4

澄んだ目で見分けましょう。 希望まで捨ててしまわなくていいのです。 崩れたもの全てが不要だったわけではなくて、 その跡から大切なものを探し出すことまでが大事なのだから。 気になるそれは、 あなたにとって大切なものでしょうか。 剥ぎ取って消してしまいたいものでしょうか。

case.5

それが残ったのですね。 では、そうしましょう。 振るい落とされなかったことに意味があります。

case.6

大工事が必要です。 今のままでは叶えられない。 混沌としたままではどうしようもない。 多くのものが壊れてしまっているけれど、 無傷でいるものもありますね。 それらを選別しましょう。 大事なものが残っているはずです。

case.7

追い詰められたような状態に あるのかもしれませんが、 きっと、相手は、もうすぐ、 態度を変えてくれるはず。 もともと気持ちは 通じ合っていた相手だし、 険悪な流れにのまれそうに なっていたとしても、きっと、 我に返ってくれる。 こちらまで相手に乗じて、 喧嘩をふっかけるようでは、 おしまいとなるでしょうが。

case.8

ここまで壊れてぐちゃぐちゃになってしまって、 その中であなたは何を思ったでしょうか。 関係が崩れていく不安と恐れの中で、 なぜこんなことになってしまったのか、 気づくことができたでしょうか。 希望は一つだけ残っています。 それを生かせるかどうかは、あなた次第。